10/13–10/14 #procon30 に見学で参戦した。いろいろ気づいた。

Terfno
13 min readOct 15, 2019

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引率部門に出場しました。terfnoです。

サブタイトルに方言使うのそろそろやめんか? マジで何言ってるか分からんくなる。

ぼーっとしてたら「てるふのさんですか?」って唐突に聞かれて「せやで」ってなるやつの実績解除をしました。ちょっと嬉しいのとびっくりするので見かけたら声かけてみてね。だいたいトランプ触ってる。

人生で初めて予選落ちしたので、たぶん全額自費(団体切符なのでちょっと安い)で都城に潜入しました。プロコンの大先輩には敵いませんが、3年目にしていろいろ気づけたことがあるのでシェアします。炎上しませんように。

目次

  • 参加の経緯(ちょっと)
  • 競技部門について
  • 課題/自由部門について
  • 実装の傾向
  • 作品の傾向
  • 展示の傾向
  • 個人的に「これどうなんだろうな」って思った点いくつか
  • 結果発表と表彰の傾向
  • 審査委員長の総評メモ
  • おまけ

参加の経緯

去年の私のチームが実質3名だったので、1名のサポーターと1名の見学者を引き連れて参戦しました。このチーム編成が割と良かったので今年も採用したのですが、自由/課題ともに予選で落ちてしまったので、サポーター(私+部長)の2名と見学者の1年生3名を応援学生という形で都城に送り込むことになりました。

サポーターは競技部門が忘れた道具をベスト電器まで走って買いに行ったりする雑用部門です。ちなみに会場からベスト電器まで私は走って9分32秒だったんですけど、皆さんどうでしたか?

見学の1年生はプロコン会場の空気感とか、2日間の流れを体験することで、来年度以降プロコンに挑戦するときにアドバンテージになるようにすることが目的です。(達成できたかどうかは知らん。もちろんサポートはした。)

来年は北海道なのでこのような応援部隊の編成が難しいですが、(自由/課題で枠に余裕があるところ || 財布に余裕がある人)は試してみるといいと思います。

競技部門について

去年度よりもプロコンぽかったです。東京高専の方が解説Tweetをしていましたが、プロコン競技部門の戦い方としてベストだったと思います。

FYI

私は↑の戦術すごく好きです。

課題/自由部門について

実装の傾向

全ブース回ったつもりです。全ブースで実装の話を聞いてました。

相変わらずWebでの実装が多かったです。
まぁWebは最強のミドルウェアですからね。お気持ちは分かります。

サーバーサイドの実装の傾向として、PHPやPythonによる実装が多かったように思います。PythonはDjangoが1つとFlaskが多かった印象です。他にはNode.jsやGoも少ないですが見かけました。技術選択の理由を聞くと、「触ったことあるから」/「今回の鯖サイド担当がPHPガチ勢だったから」といった話を聞きました。これについては、個人的に「これどうなんだろうな」って思った点いくつかを後で触れたいと思います。

弓削商船がやっていた所謂すれちがい通信による実装や、Google DriveやSpreadsheetを使った実装もありました。嫌いじゃないです。

フロントの傾向として、鯖サイドがPHPなのでそのテンプレートエンジンだったり、レガシーなHTML/CSS/JS実装が目立ちました。VueとReactもちらほらいたかな…でも少数派でした。

ネイティブアプリケーションの実装はいろいろでした。Kotlin採用チームかと思いきやJavaだった…みたいな高専も合った気がします。iOSで実装している高専はめっちゃ少なかった気がします。(弓削商船はiOSだった気がする。リッチだ)

作品の傾向

相変わらずですが、Web上で動く作品の割合が多かったです。が、ネイティブアプリケーションの作品が去年よりも増えている気がしてちょっとワクワクしました。

去年よりもXR系の作品は減っていました。XR系で確実に変化した点はスタンドアロン製品をプラットフォームとして選択しているチームしかいなかった点です。RiftやViveのようなデスクトップ+HMD+センサーみたいな構成はいませんでした。(MSのHoloLensとどっかのMRゴーグルだった。あとは簡易VRゴーグルかな。)RiftやViveのようなVRプラットフォームへの実装は審査員に対してアピールしやすい”手軽さ”を捨てることになるので賢明な判断だと思います。

これはシステム創生コンテストの影響だと思うのですが、Sigfox製品が増えた気がします。IoTを積極的に取り入れるために、ラズパイでお手製ハードを制御してデータをWebでビジュアライズする作品が多かったように感じました。これら以外にも、お手製ハードとの連携を実装したチームが例年より多く目立ったように感じます。マイコンはArduino(互換機)とラズパイ(3Bとzeroかな)が3:7くらいだったと思います。このお手製ハードについてですが、個人的に「これどうなんだろうな」って思った点いくつかを後で、また触れたいと思います。

プロジェクターを活用した作品が例年より多かったと思います。鏡を使って投影距離を稼ぎ、短い距離で大きい投影を作っているチームが2つあったと思います。工夫を感じる。あとは、布に投影して透けさせる実装も多かったです。普通にスクリーンに投影してるチームが少数派だったな…

音声の合成や分析系がより手軽に実装できるようになったせいか、増えてきました。今年は画像処理系も去年よりは増えている気がします。

“Webだけ”みたいな実装は減ってきている…?

展示の傾向

地方紙の活用が目立ちました。地方紙の多くはコンタクトを取ると取材をしてもらうことができます。今年になって急にこの手法が増えた気がします。会場でのプレゼンス向上に有効な手法だと思います。

FYI:↓

実際のユーザーとの接触をしているチームが去年よりさらに増えた気がします。去年の私達も障碍者のコミュニティに協力をしてもらいながら、聴覚/視覚障碍者向けのシステムを制作しました。これに近いスタイルで実際に消防や、自治体、障碍者のコミュニティに協力を得ている高専が多かったです。

また、ブースでパンフレットを配る高専が圧倒的に増えました。このパンフレットについてですが、個人的に「これどうなんだろうな」って思った点いくつかを後で、また触れたいと思います。

個人的に「これどうなんだろうな」って思った点いくつか

炎上しないでね。

技術選択について

“担当メンバーがやったことある”という理由は至極もっともであり、合理性のある選択理由です。しかし、システムの目指す形やユーザーの想定によっては適切ではないケースがあったように感じます。(3つくらい技術選択がシステムに対して妥当ではない高専を見かけました。)

この点に関しては、代理で審査委員長をしていた方の総評でも触れられていました。

お手製ハードについて

高専名は伏せますが、超音波による距離計測の部分について、温度による測定誤差の補正を正しく実装していない高専を見かけました。実装期間は実証含めかなりあったはずなので、少し残念です。

FYI:↓

また、お手製ハードの特性を活かしきれていない(ように見える)システムは会場でのプレゼンスが高い分悪目立ちしがちかなぁと思いました。審査員や一般観覧者にグサグサ刺されているところを見てしまったので辛かったです。

デザインの分野について(パンフレットについて)

パンフレットの配布ですが、去年の私達のチームでもこの手法を活用しました。が、ここまで増えると独自性はなく、ただただ観覧者の荷物を増やすことになるので来年もし私が参加するならこのような手法は採用しないと思います。

パンフレットに限らないのですが、プレゼン資料/ブースのポスター/パンフレットでデザイン軽視が目立ちました。とくにブースに掲示しているA1のポスターをそのままA4の紙に印刷して折ってパンフレットにしているチームがいくつかありましたが、これは正直悪手なので避けたいところです。ポスターで伝えたいこととパンフレットで伝えたいことは、一致することもあると思いますが、伝え方を変えなければならないと思います。デザインを勉強してください。プレゼン資料に関してですが、絶望的にダサかったので途中でプレゼン会場を抜け出しました。

プロコン参加者全員にノンデザイナーズ・デザインブックを買えとは言いませんが、作品を作る以上ユニバーサルデザインを心がけるべきで、それは資料についても言えます。よくまとまっているサイトがあるのでここで紹介しておきます。

FYI:↓

その他思ったこと(ちょっとマイナスなこと)

セキュリティを意識した作品制作が例年通り少なかったと思います。ちょっと辛いね。

“プロダクト”というより、”プロコンの作品”を作っている感じがするのは致し方ないことですが、せっかく1年くらいかけてやるので残念です。質問したりするときに”リリース”についてアピールしてくださる高専の方が多いのですが、正直なところ準備できているようには見えませんでした。

デプロイされているシステムがほぼ無かったと思います。会場にネットワークがないので仕方ないのかな…?

デモンストレーション審査のときに審査員の後ろをついて回ったのですが、ペース配分などの点において不準備が目立ちました。会場のコンディションが前日まで分からないということもありますが、もうちょっとできることもあったんだろうな…と思いました。ちなみに1日目に東京高専課題部門のデモ審査練習を聞いたのですが、先生がガッツリアドバイスしながら会場で練習していたのはイケてると思います。(先生に会場でアドバイスもらえる高専羨ましいってのが私の本音)

チーム内でのメンバーの技術力ギャップが激しいチームが多かったと思います。私の去年のチームのようにそもそも開発に携わっていないメンバー(?)が増えたのかなぁと思いました。が、会場でうまくカバーできないのであれば、それはただの綻びなので悪手かと思いました。

質問に対して「私は分かんないから、あの人(先輩とか)に聞いてね」(意訳)という回答が目立ちました。チーム内で完全分業でブラックボックス化する手法はよくあると思いますが、高専プロコンである以上ブースでの審査は必須であり、それをカバーできないのであればやはり悪手かと思いました。これは私の去年のチームの例ですが、完全分業を公言しつつ互いの領域に対する知識を共有することで会場ではカバーしていました。(完璧ではなかった希ガス)

チーム内でのプロジェクトに対する理解度にギャップがあったように思います。プロジェクト全体を把握しているのはPL1人なのでは…?というような高専がいくつかあったように思います。

結果発表と表彰の傾向

これは完全に主観のメモです。自分用です。

  • 安易にクオリティ高そうに見えるやつよりも手作り感あるものがウケたイメージがある。
  • いくつかの要素が組み合わさったものがウケた。(先端技術 ×先端技術, お手製ハード ×Web, アナログ ×デジタル, プレイヤー ×オーディエンス)

審査委員長の総評メモ

KMNM先生よりも具体的な総評だった印象があります。
私のとった要約メモなので参考程度に…

  • ユーザーと課題を明確に // それはそう。自明
  • 外部の団体や企業と協力すべき // 企業か…確かに学生なら面白がってくれる
  • 最適な技術選択を // それな
  • プレゼンとデモの連携を上手に // プレゼンで伝えたいこととデモで伝えたいことをしっかり考えて役割分担か
  • システムについてどう審査員に訴えて、何を伝えるのか // 自明やな
  • 審査員はストーリーではなく、技術力がみたい // だろうな。全体の流れを見せたくなるのがこっち側の心理ではある。これは大事。
  • 予選のコメントに対応してあげて。可愛そう // 予選のコメントは資料に書いてあることを、聞いてきたりするので嫌になることがある。善処します。

おまけ

辛かったこと

去年作ったシステムは、”自治体の音声放送を、聴覚障害者のためにテキスト化したり、盲ろう者のために点字出力するやつ”なんですが、予算の関係上点字出力のハードをメンバーの先輩に丸投げしてゴリゴリラズパイとソレノイドで実装したんですね。ブース審査のときにさくらの社長さんが「これ規格とズレた点だよね」ってコメントくださったんですが、内心「手作りだよ!!!!!!!!!!!!!」って叫んでました。そのときは課題部門の特別賞でした。

今年の東京高専は”点字とテキストの相互変換”を作ってて、「おっ」って思って見に行ったら、点字プリンター(正確には立体イメージプリンター)買ってました。予算って偉大だよね。

東京高専は最優秀賞でしたね。おめでとうございます。

プリンターは多分これ↓

用途が限られまくる20万円くらいするハードを購入する資金どっから出てくるんでしょうか。ちなみに津山高専は3部門合わせて5万円の予算で毎年頑張ってます。3年くらい前から”運動部より受賞も多いし、運動部より大会参加してるから予算増やせ”って言ってるんですが、進捗駄目です。

次回テーマ

私の知っている課題テーマは「スポーツで切り拓く明るい社会」と「ICTで地域活性化」みたいなやつの2つなんですが、この2つより難解なテーマが来ましたね。辛い。

一周回って分かりやすいのか…?
審査員が何を求めるのか、高専プロコンが何を求めるのかをしっかり考察する必要がありそうです。

ガチのおまけ

水遊びした。

ft. あひる/フレキシブル基板

ところで会場の人々は(審査員含む)疲れからか、ソーシャルエンジニアリングに対して非常に弱い状態だったと思います。気をつけましょう。

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